厨房は、汚せない。
食べ物をつくる場所で、工事をする。それが今回の現場だった。
厨房の中は、そもそも工事をする前提の空間じゃない。粉塵が出れば調理器具にかかる。工具を置く場所ひとつにも気を使う。作業のたびに養生をして、終わればその日のうちに清掃する。
普段の現場なら「明日また続きをやる」で置いておける道具も、ここでは全部片付けて帰る。手を動かしている時間より、気を配っている時間のほうが長かったかもしれない。
Fig. 01 / 養生と清掃が、厨房工事の前提になる
重いものを、安全に降ろす。
今回いちばん神経を使ったのが、室外機の搬出だった。重量物を、限られたルートで、人が通る場所を抜けて運び出す。
どの経路で、何人で、どの順番で。事前に段取りを固めて、当日は打ち合わせ通りに動いた。無事に降ろし切ったときは、正直ほっとした。安全は、うまくいって当たり前と思われる。だからこそ、事前の準備が全部だ。
施設の職員さんが協力的で、目立ったトラブルもなく順調に進みました。
— T.M / 管工事 21年
何もなかった、が一番いい。
施設の職員さんが協力的だったのが大きかった。使う時間、入れる時間、置いていい場所——聞けばすぐ答えが返ってくる。現場は、相手がいて初めて動く。
結果として、目立ったトラブルもなく終わった。派手な話は何もない。でも「何もなかった」を積み上げるのが、この仕事だと思っている。